お彼岸と邪気を払う色「赤」

Do you know that ‘red’ is the color to purify evil spirits?

Actually I haven’t known that red means that way.

By the way, tomorrow is the beginning of the spring equinoctial week.

Today I will reveal the relationship between ‘spring equinox’
and the color ‘red’ to eliminate evil spirits.

 

(赤は「邪気を払う色」です。ご存知ですか?

実際のところ、私は、赤がそのように意味することを知りませんでした。

 

 

ところで、明日は彼岸の入りですね。

今日は「春分の日」と邪気を払う色「赤」の関係について、明らかにします。)

「暑さ寒さも彼岸まで」という句の通り、冬の寒さが和らいで春を実感する季節になりました。

家の中にいても、春を楽しみに待っていた鳥たちの軽やかなさえずりが聞こえてきます。

 

 

一日一日とだんだんと日が伸びて、冬は真っ暗だった朝の6時ごろ、すっかり朝日に照らされ明るくなっていることに気付きます。

なんと爽やかで軽快な季節でしょう!

 

 

三寒四温を経て、ようやく春を実感するこの時期、近くのスーパーマーケットにはあるものが並び始めます。

 

 

そう、仏花です。

仏花はお墓や仏壇に飾る花ですね。

私も、仏花を見て、「そろそろお墓参りにいく季節になったんだな」と気付きます。

そう、この春分の日をはさむ1週間は「お彼岸」。そして「お彼岸といえばお墓参り」なのです。

でも、なぜ?

 

 

 

そこで、お彼岸とその中日である春分の日について調べてみました!

まず「春分の日」ですが・・・・

「春分の日」とは英訳すると’spring equinox’。

よく知られているのが、昼の長さと夜の長さが等しくなる日(実際には昼のほうが14分ほど長いのだそう)ということですね。

 

 

 

日本では、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日として国民の祝日に定められています。

この春分の日を中日として、この前後3日間を合わせた1週間のことを「お彼岸」’equinoctial week’とします。

 

 

「彼岸」という言葉に注目してください。

「彼岸」とは、この世である「此岸」との対を為す言葉ですね。つまりあの世ということです。

あの世である「彼岸」は私たちのご先祖様がいらっしゃいます。

それでは「彼岸」とはどこにあると考えられているのでしょう?

 

 

 

それは浄土思想によれば、阿弥陀如来が治める極楽浄土は「西方浄土」と呼ばれ、この言葉のとおり「彼岸」は西にある、

という考えがあります。

中日である「春分の日」は、いわば「太陽が真東からのぼり、真西に沈む」と定義されることから、

太陽の運行が真西を通る、つまり「最も西方に通じている日」と考えることができます。

西方に通じ、極楽浄土のご先祖様に近い日ともいえる「春分の日」にこそお墓参りに行って、

ご先祖様に感謝と追善の気持ちを送りましょう、というのが「お彼岸」の意味といえます。

 

 

 

このお彼岸に行う仏事である「彼岸会」(先祖回向の法要)は、その歴史を紐解けば古く、平安時代からその記録が残ります。

この時期、日本の仏教の宗派の多くは春季彼岸会を開催することから、お墓参りに行くことが日本人にとって一般的な慣習となった、

と言えます。

また、この「彼岸」は日本独自の風習で、他の仏教が広まっている国には存在しないそう。

生きている私たちも、いずれはご先祖様がいらっしゃる極楽浄土へ行きたいものですね!

 

 

 

もともと「お彼岸」の1週間は、迷いの多い此岸(この世)から、悟りの世界である「彼岸」(ご先祖様と共に暮らすあの世)に至るために、するべき修行があるそうです。

中日以外の1週間、するべき修行とは・・・・・

・人に施すこと、与えること(布施)

・決まりを守ること(持戒)

・困難に負けず耐え忍ぶこと(忍辱)

・心を冷静に保つこと(禅定)

・知恵を出して創意工夫すること(智慧)

・努力をすること(精進)

これらの六種の行を1日1つするそうです。(知らなかった・・・・)

 

 

さて、説明が長くなってしまいましたが、そんなお彼岸にも楽しみがあります!

そう食べ物です!

お彼岸の食べ物は何でしょうか?

スーパーマーケットの売り場にはこんなものが・・・・。

 

 

潰したあんこでくるんだお餅です。

「牡丹餅(ぼたもち)」とも「御萩(おはぎ)」とも言いますが、この時期は牡丹が咲く春の「お彼岸」ですので、基本的に「ぼたもち」というのが正解です。

「おはぎ」は秋に咲く萩から来る言葉で、秋の「お彼岸」に食べるそう。どちらも同じ菓子を指します。

スーパーマーケットでは「おはぎ」と称して売られていたのがちょっと気になるところ・・・・。

でも!

セブンイレブンに行ったら、ありました!「ぼたもち」。

 

さすがです!

ところで、なぜお彼岸には「ぼたもち」「おはぎ」を食べることになっているのでしょうか?

疑問を持ったので調べてみました。

「ぼたもち」「おはぎ」に使う餡は、小豆が原料です。

小豆はほかの豆にはない、赤味を帯びた「小豆色」が特色ですね。

 

 

 

小豆の歴史は古く、遠く縄文時代の遺跡から出土例が報告されてます。(滋賀県にある粟津湖底遺跡、紀元前4000年頃)

また、『古事記』『万葉集』にもその記述があり、古くから日本古来の風土に根ざしていた穀物である、と言えますね。

万葉集 巻第十一 2580

面形(おもかた)の忘れへあらばあづき〔小豆〕なく男じものや恋ひつつ居(を)らむ

(あの人の顔が忘れることが出来ればよい、不当にも男たるものが恋しく思って良いものだろうか  訳 tomo )

 

 

 

この赤という色は、日本人が古来より特別な思いをもって使ってきた歴史があるのです。

結論を述べれば、赤は「邪気を払う色」ということです。

言い換えれば「魔除け」「厄除け」「身を守る」ということですね。

 

 

 

一番分かりやすいのは、神社の鳥居です。

鳥居は神様の領域と、人が住む領域を区別する、「結界」です。そこに特別な意味を込めて「邪気を払う赤」が使用されたのですね!

 

 

 

 

そこで私は実際に、「邪気を払う」「厄除け」を象徴する、とある寺に取材に行ってまいりました!

「厄除け」で有名な寺といえば・・・・

栃木県にある天台宗の寺院惣宗寺、通称「佐野厄除け大師」があります。

正月には厄除け祈願の初詣で客で賑わい、全国から参拝客を集めるお寺です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤を基調とした建築物がとても多く、際立っているのがわかります。

「厄除け」だから「赤」のパワーを取り入れたのでしょうか?

 

 

 

 

そのようなわけで、小豆の赤が持つパワー、つまり災難から身を守る「厄除け」の効果を身につけるために、

小豆を使った菓子である「ぼたもち」「おはぎ」を食べる風習ができあがった、と考えられます。

 

 

 

 

「彼岸」と「此岸」が近くなるわけですから「魔除け」のパワーを取り込むことができる食べ物は積極的に取り入れたくなりますね!

今まで、お彼岸の時期に当たり前に見ていた「ぼたもち」「おはぎ」。

そーだったんだ・・・・、と妙に納得です。

 

 

 

 

「赤」はとても原始的な色だな、と私は思います。

 

 

・燃え盛る炎の色

・「真っ赤」な太陽
(しかしながら太陽は実際には赤ではないですよね・・・・。そこに日本人古来の自然に対する意識が隠されているようですね。)

・赤ちゃん、赤子(新たに誕生した生命の象徴です。)

・赤鬼(鬼の顔の色は赤が最もポピュラーです。)

 

 

 

このように連想してみると、

「赤」とは不思議なパワーをもっているようにも感じます。

いわば新しい活力、生命、不浄を燃やす力。

怒りに満ちた顔で邪気を追い払う鬼瓦。

あの世に通じやすいとされるお彼岸の時期、

「邪気を払う」赤、「魔除け」の赤、「厄除け」の赤。

これらを上手に取り入れることで、自分の運気もアップするように思えます。

 

 

 

Red means purifying the evil power.

Old Japanese people used the red power for their life.

(赤は破邪を意味する。古くから日本人は赤の持つ力を生活にとりいれた。)

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